※3月17日に英語、インドネシア語、タガログ語、ベトナム語の翻訳記事を掲載しました。
「4人に1人以上が高齢者」。日本が抱える課題を多くの人が聞いたことあるはずだ。今なお、少子高齢化が進む中、いかに若者が高齢者を支えていくのか?日本の未来を左右する大きなテーマだと言えるだろう。
この記事をご覧いただいている方なので、少なからず『介護』に関心をお持ちだろう。ただ、「介護現場で働く」というと、どこまでリアルをご存知だろうか?漠然と「大変そう…」「つらそう…」というイメージを持っている方も多いかもしれない。
昨年BSフジにおいて、上記のイメージに一石を投じるTV番組が放映されていたので、この記事で紹介させていただく。
番組内容としては、学生たちが、介護現場のリアルを体験することで介護の“楽しさ”を知り、そのイメージを変化させることで、「自分たちが主体的に高齢者を笑顔にしたい」と行動を起こすようになった、という変化を追ったものである。
番組アーカイブとして現在公開中なので、ぜひご視聴いただきたい。
2019年度「にっぽんの要」 番組アーカイブ動画
この番組は、福祉・介護系学科に通う学生と、逆にまったく福祉・介護を知らない学生が、
一緒に介護現場のリアルを体験することで大きな変化が起き、最終的には学生主体で企画したイベントを開催するまでのストーリーである。「介護のしごととは何か?」を深く理解でき、多くの人が持つイメージを変える番組だと言える。
一般的に介護のしごとというと、日常の食事、入浴、排せつといった『身体介護』ばかりを考える方も多いだろう。ただ、介護の関わり方には様々なカタチがあると紹介されている。
第一話では、エレクトーンが得意な学生の演奏で高齢者と共に歌を楽しむミュージックファシリテーションを紹介。最初は緊張して、とまどう表情の学生が「自分の得意を活かして高齢者を笑顔にできるんだ」という実感を得られ、後半にはイキイキと介護のしごとを楽しんでいる。
そのほか、利用者にヘアメイクや化粧を行う訪問美容、旅行やミュージカル、絵画展を鑑賞しに行くトラベルヘルパーなど、様々な介護のカタチも第二話以降で紹介されている。学生が、高齢者の“笑顔をつくる”というしごとの意義を知りそして体験することで、介護のしごとに対するイメージが変化していく。“わかる”ことで、“かわる”ということを彼ら自身が体現しているのだ。
とくに福祉・介護に関して、まったく知識のなかった学生が高齢者と接する中で、最初はコミュニケーションがぎこちなくても、徐々に柔らかくなっていく“変化”が印象的だ。
人を楽しませ、笑顔にする。それが介護のしごとの本質の一部なのだと感じることができた。
多くの人々が、介護現場のリアルを知らない中で、介護のしごとに対して様々なステレオタイプなイメージを抱いている。パーソナリティの要潤さんも番組のラストで、介護のしごとはハードルが高い、介護と言われてもそのイメージがつかなかった、という観点でコメントされていた。
ただ、リアルを体験することで、身近に感じられ、介護する側も楽しさを得られる。この番組は、“わかる”ことで介護業界のイメージは“かわる”ということを、学生たちの姿を通じて実証した。
介護とは、家族や介護従事者“だけ”で行われているものではなく、地域のコミュニティや異業種からの参入、テクノロジーなどが支えているものである。前述のミュージックファシリテーションや、訪問美容も一つの例である。
このように介護士、ヘルパーなどの資格を有していなくても、皆さんの得意なことを活かして介護現場に関わるチャンスはたくさんある。
皆さんも自分自身の得意なことを活かして、様々な角度から介護のしごとに関わって、「人々を笑顔にする」ことを検討してみてほしい。
【今年度の「にっぽんの要」の放送予定】
昨年度の放送が大好評だった「にっぽんの要」だが、今年度も放送が決定している。
第一回:2月7日(日) 午後2:00~2:30
第二回:2月14日(日) 午後12:00~12:30
第三回:2月28日(日) 午後2:00~2:30
介護・福祉を学ぶ学生たちを中心に、これからの介護・福祉を明るく前向きに変え、改善していくアイディアを考え、発表するというオンラインワークショップを開催。番組内では、そのワークショップの模様を中心に、介護・福祉を前向きに変える活動をしている方々を紹介している。
視聴者が「介護・福祉の"いま"を学び、”これから”を明るく・前向きに・自分ごととして考える」ことの出来る番組となっているので、是非、ご視聴いただきたい。
番組の詳細はこちら
また、当番組は、「福祉・介護の体験型・参加型イベント実施事業(株式会社サンケイビルテクノ)によって放送されている。以下の記事で事業を紹介しているのでこちらも是非ご覧いただきたい。
福祉・介護の体験型・参加型イベント実施事業の紹介